ダムの見える牧場の乳牛が山にあがりはじめました

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 こちら(上)の写真は、2016年9月17日に確認したダムの見える牧場のホルスタインが山をあがりはじめたその第一歩です。この時には、1頭ほどが蕎麦畑に多少入ってきた程度でした。2メートルほどの急斜面となっており、かなりの力がいることと、春からこの方、あがった形跡がなかったのです。この段差、ちょうど2年前の9月には、あがろうとして中途まで足をかけながら、断念していた痕跡がありました。気力、体力そろってはじめて登りきれるものだと思っておりましたよ。崩れた斜面に残る足跡から受ける印象として。
 ここから上に10メートルほどもあがったところに、焼畑のカブが花を咲かせていました。タネ取りできるようなそこそこよいカブです。10日ばかり前でしょうか、種取候補となるような良好なカブの存在を確かめています。とりわけ、斜面一番上にかたまっているブロックをメモリーにマーキングしておったばかりです。
 そして、昨日2017年5月3日、な、な、なんと、牛が食べている!!! しかも、最上部のエリアの一等いいカブを。写真ではややわかりにくいのですが、相当な急斜面です。はじめて来る学生はこわくて立てないほどだというのに。
 やられたと思いながらも、これはGood News。ここまであがれるということは、急斜面が多いこの山も(そのままで;人間が道をつけるまでもなく)放牧地としていかせるといううことでもあるのです。
 

 これまでも山に入ってはいましたが、この写真のように「あがる」ともいえるところまで入ったのはここ数週間の出来事です。
 火入れの場所を考えなおさねばですな。どこでやるにしても柵は必須となります。手間がかからんやり方・場所を考えるということ。
 牛には入りたいところへ入ってもらいたい。柵をもうけずにできればよいのですが、ちょーっと無理ですね。うまい方向で検討したいです。

竹の焼畑2017sec.1【報告】

 5月3日(水),快晴,最高気温24℃(たぶん)。10時30分〜15時00分の作業でした。参加者8名。
 ランチはタケノコカレー。茹でる時間が足りず、途中ひきあげて焼き、トッピングにしたタケノコですが、シーズンもあと2〜3日で終わりかなと思います。
 人手不足により、竹の運搬と伏せ込み作業が予定までいってません。島根大里山理研究会から追加でもう1日出るといっております。奥出雲山村塾でも1名が明日出動予定!
 

【記録】タケノコ山の春遊び其の一

4月9日(日)。小雨交じりの中、桜を観るではなく、竹山「あそび」という興趣に足を運び、手を動かした男女は12名でした。女性が半分を占めたというのは春の僥倖でありましょうか。
タケノコは不作(まだ早い)でしたが、いただきもののキクイモ、山から摘んできた茎立菜をとりまぜ、みなさん絶賛だった頓原の合鴨米、自家製味噌による豚汁(来年こそ猪汁を)を、おいしく、ありがたく食しましたぞよ。
次週こそタケノコがほれますように!
下の写真は翌日4月10日の木次の土手の桜
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岩のカマド

椎葉で見た岩のカマド。いいなあ、できそうだなあと思わせる。の、だが、そう簡単でもないと思う。開口のとりかたとか、内部のドーム構造のとり方とか、煙突の角度や長さなど。ピザ窯ほどではないにせよ、燃焼効率を高めるようなバランスをもっていないと、焚付のときに煙がかなり中にこもるはずだし、、。
まずは石と泥とで試作してみるべか。

蕾を楽しむ櫻祭

 昨年の今頃は下の写真ほどには咲いていた櫻は、今年は蕾のままである。祭りという天地自然との絆が根底にあるべきものも、いまの世は、人の都合が優先されるがため、櫻の未ださかない櫻祭りが今日と明日、住まいしている木次で開かれている。
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 あぁ、しかし、春らしい日和だ。
 櫻の咲いてない櫻祭は蕾を観て楽しむ。そう、あの蕾の中には山のほうから降りてきた「サ」が、遠い昔から私たちがそう呼んできたものたちが、いまかいまかと大地に飛び散りいでるのを待っている。目には見えねど、たしかにそこにあるものの存在を祝う日。
 そうこう書いている間に、電話が何本かかかってきて、カフェの手伝いに加わるのである。つつきはまた今晩。

森と畑と牛と 4月に開くふたつのイベント

 今日はお昼から森と畑と牛との幹事会。奥出雲地方は時折り小雪が舞う風の強い日。ダムの見える牧場事務所で事業の進捗と4月のイベントについてなどを話し合いました。
 4月のイベントとは、筍掘り自然体験と焼畑シューの試作販売。後者の焼畑シュー販売は、今回はクリームに注力して生地に入れる雑穀はなしでいきます。その代わりといってはなんですが、焼畑産の仙人穀と糯粟で何かつくって試食してもらうことにしました。いくつか案はあるものの、何をつくって供するかは、カフェ・オリゼさんほかにご助言いただきながら進めていきまする。
 日にちは4月29日(土)10時〜17時、奥出雲町の絲原記念館前の駐車場です。町内の新しい取組をはじめている団体・自営業7者を中心に出店するなかのひとつです。森と畑と牛含め(ありたいですし目指しますが)、独創性の高いちょっとおもしろいイベントになりそうです。親子で楽しめる体験をどの出店者も意をこらし考えをめぐらせて提供しますので、ぜひぜひ脚をはこんでみてくださいまし。
 詳しいご案内はまた改めて!
 そしてもうひとつの筍掘り自然体験についてーー。
 森と畑と牛とのfieldでは、今年も竹林を皆伐施業したところがありまして、筍の大量発生がほぼ約束されています。あわせて伐採した竹が作業道に積まれたままです。さあ、どう料理してくれましょうか。アイデアだけは積んだままなので、落とし込みながら、またこれも近々にご案内します。お楽しみに〜♪
 
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昨年の4月、とれた筍をロケットストーブで煮るの図。

奥出雲ラボフォーラム〜絲原家の可能性〜雑感

facebookから転載しつつ、のちほど大幅に加筆する予定です。

絲原家居宅で開催されました奥出雲ラボフォーラムからは多大な示唆を受けました。主催の方々へ感謝する次第。

参照リンク

https://www.facebook.com/hirokazu.sakuno/posts/1387363777951862?pnref=story

https://www.facebook.com/kazuyoshi.udagawa.3/posts/1456554281044173?pnref=story

さて、「森と畑と牛と」の業務でしたので詳細はそちらの会で報告するとして、私的感想をふたつ。

◉写真は会場のふすまの引手です。七宝焼が美しい大正年間のものと思いますが状態がよかったです。いいものが生きているなあと。

◉これからの観光はパッケージで買う時代になるのだという予感をひしひしと感じる内容でした。個人で旅程を組み立てること、端的にいえばサービス選択の難易化がどどっと進行するのではと。旅行業法の緩和なり特区ではじまれば、チャンスかもしれませんが、よい流れではありませんね。

そして蛇足。

宮本常一が、農村への観光に希望を見出し、絶望していったコラムを読んだときの記憶が蘇ります。だからこその希望でもあるのですが。

◉バリ島のアマンダリがアマンマジックとしてリゾート業界を震撼させてから十年あまりが経過し「魔法は消えた」というコメントを寄せる人もいます。が、そうでしょうか。バリ島「観光」は、1930年代から始まる長い蓄積・紆余曲折が土壌です。

たたら山内がそうした道を歩むのだとしたら、百年の計でのぞむことが条件でもあり、それは絲原家をはじめとした旧家ならばこそできることなのだと思います。

大人のためのごんぎつね〜新見南吉童話集(本の話#0002)

記事タイトルであげたトークライブのお知らせです。

◉主 催:ナレッジ・ロフト「本とスパイス」&カフェ・オリゼ

◉日 時:1月27日(金)

 開 場…18:30

 トーク…19:00〜20:20(20:30〜22:00 食事)

◉場 所:カフェオリゼ(木次町里方)

◉参加費:2,500円(スリランカカレー/ドリンクセット含)

◉定 員:12名

◉申 込:「大人のためのごんぎつね」参加希望として、下記のメールアドレスまでお名前とご連絡先をお知らせください。返信のメールをもって受付終了とさせていただきます。メールはこちらまで anaomoshiro★gmail.com(★⇒@)

◉内 容

 「本とスパイス」提供の、月刊ペースで1冊の本を巡るトークライブ。第2回目となるお話は、大人のための「ごんぎつね」です。

 国語の教科書に採用されて以来、6000万人が読んだといわれる「ごん狐」ですが、同人誌「赤い鳥」に発表されたのは昭和7年、満州事変の翌年であり、著者、新見南吉19歳の時でした。

 南吉の童話作品の大半は発表されることなく、29歳と8ヶ月で没する数年間に故郷で書かれたものです。千葉俊二編「新見南吉童話集」の中から、遺作となった「狐」、「牛をつないだ椿の木」を読みながら、ごんぎつねと共通する南吉の世界に迫ります。

 さて、ごんぎつねには3つの原稿が存在します。

 広く読み知らされた「ごん狐」は、新見南吉の原稿に、鈴木三重吉が手を入れたものであります。従来、研究者の間では、三重吉が手を入れたことで「ごん狐」は名作となったとされてきました。しかし近年、「いや、それ違うんじゃないの」との読み方が出てきています。私も同様に考えます。そして、ごん狐には、南吉が郷里の半田市(愛知県)で伝承として聞いた「聞き書き版」が存在していました。

 ごんぎつねには3つの異なったバージョンがあるのです。とりわけ、物語の結末が、決定的に異なるのです。数文字の違いであり、オリジナル版の不自然さの中にこそある真実があったのだとすれば…………。

「ごん、お前だったのか」

 そう、誰もが覚えているこの言葉の後です。

 戦争で失われたのは人の命だけではありません。滅んでいったものがたくさんあり(い)ます。南吉は、童話としての完成度よりも、失われていくものの真実=物語をこの世に残したかったのです。それがなんだったのか。銃に撃たれたごんの願いとともに、物語の奥へと、たどっていきたいと思います。

今回のお話は、キツネ、オオカミ、ウマ、ウシ、クマ、サル、あるいはカッパやオロチ……、私たちの身近にいた生き物との関係を、信仰と民俗と物語=童話、を通じて探っていくものです。また、編集者として作家の原稿をどう読むのかという関係性をも考えながら、読み解いていきます。

おいしい雑穀づくりと小屋づくりと山畑の手入れetc.~1月7日

 快晴となったのは午前2時頃までだったと思います。またも出遅れ!てしまいましたが、仕方ない、なるようになれよと、思い、ます。アマランサスは少々。そしてヒエをはじめて脱穀しました。

 ◉今日の作業

場 所:奥出雲町三所

時 間:13:30〜15:40

参加者:1名

内 容:アマランサス脱穀少々(2回、6束程度か)。ヒエの脱穀はアワと同様に洗濯板でやりました。快調快調。もともと脱粒しやすいものだけに、アワよりもさらに楽ちん。脱穀に限ればもっとも手間がかからないものですね、これは。

 問題は風選です。トーミにかけると、実の入ったものも飛ばされていきます。重量によって3つの口から出るものですが、アワやアマランサスではあまり出ない2番口からもけっこうな量が出てきます。何パターンが調整を試みましたが、さほど変化はない。

 手にすくった感覚だと、たしかに1番口のほうがしっかり実が入っていて重いのは明らかです。しかし、2番口のものがまったくスカスカの中身なしかというとそうでもない。

 3番というか排出口からのものは明らかに軽く、実が入っていると思しきものも混入しているようでしたが、廃棄しました。

 手間のかかるだっぷの段階で、2番が使えるかどうか、試してみたいと思います。

おいしい雑穀づくりと小屋づくりと山畑の手入れetc.~1月6日

 晴れました。とりわけ午後からは青空が広がるという、山陰の冬としては大変にめでたい日和でした。そんなよい日に出足が遅れ、脱穀集中日のはずが、2時間弱にとどまったのは悔しいです。本当にまったく………。さっ! 明日も快晴の予報! 気を取り直していきます!
◉今日の作業
場 所:奥出雲町三所
時 間:15:00〜17:00
参加者:1名
内 容:アマランサス脱穀。叩き方が甘かったせいだろうか、唐箕にかけた後の籾殻やゴミ等の残存率が高かった。ていねいにやらないぶんだけ、出来は悪くなるのだなあ。ちょっとの手抜きが結果に出るだけ、繊細な作業なのだろうね。今更ではあったが、赤い花をつけたものが2本たまたまそろってあったので、種まき用として外のものとはわけて選別した。

 夕方になると雲もけっこう広がってきたが、午後5時前には夕陽がまだ西に見え、ものの姿かたちをよく見ることができる。黄昏時よりは少しばかり前の、何はともあれ、仕事の終わりの安楽感を胸に軽トラで道に出ようとしたときのこと、ひょこひょこと近づいてくる者あり。
 警戒心が薄い。カメラを取り出し、おさえておきましたとさ。
 どうやらイタチのようです。