竹紙と葛紙と……

なぜ竹紙なのか……。長くなるので詳細はいずれ。

あえて、ひとことでいえば、

「人はいつごろから、自然界から繊維を取り出し、人工物として再編することをはじめたのか」

を想像してみたい、みるべきだ、そこに価値と意味がある、ということですね。

竹の繊維を取り出すことをはじめているのですが、繊維を取り出すところまでの工程は、布づくりとほぼ同じです。

たまたま、柳田国男の「木綿以前のこと」の中に見つけたので、ひっぱってきておきます。

文化四年に成った『北遊記』には、今の福島県の平と湯本との中間でも、藤布を織って産業にしている者がいたとある。是は衣服の原料としてではなく、おもに畳の縁へりにするために供給していたものであった。春中の女の仕事で、その製法は藤の皮を剥はぎ、水に浸すこと四五日の後、堅木かたぎの灰を加えて暫しばらく煮て、川に出して晒さらし且つ扱こくことは、麻の通りであるとも述べてある。

青空文庫の「柳田国男 木綿以前の事」より

火入れの手順を考えるのと同時に

 手順を考えてみた。そのメモとして。

①計画・調査

 計画:施業面積、日程、人員配置、委託契約(森林組合)、許可事前協議

 調査:植生、土壌(2〜3ヶ所程度)、稈経、密度等

②火入れ地事前整備

 杭打ち等による施業ヶ所マーキング(火入れ地、防火帯、消火ポンプ配置位置、人員配置等)

 下刈り(熊笹等)

 倒竹、枯竹運び出し

③火入れ部分は伐採・伏せこみ、防火帯部分は伐採・運搬

 伏せこみ状況の記録

④火入れ日確定(10日前)8月上旬

 天候状態・天気予報、人員都合を勘案しながら、決定。晴天が5日ほど続き、風がなく、火入れ当日もしくは翌日に、軽い夕立があるのが理想的。

 強風、降雨の場合は順延。

⑤火入れ当日

 集合・手順・安全確認

 火付け

 消化確認

 テント泊・定期巡回

⑥調査・播種

 土壌調査(土質、断面)、記録

 浅耕(焼け具合、灰の厚さ等による)

 蕎麦(カブ)播種

⑦調査(1週間単位)

⑧収穫・試食

2年目に小豆。

3年目から

タケノコ生産林+乳牛放牧地

以上。

さくらおろち湖での全日本マスターズレガッタと山際淳司

 『スローカーブをもう1球』。山際淳司の短編ノンフィクション集のタイトルである。私は文庫で読んだ。何度も繰り返し読んだ。いま大学生に聞いたら、どうこたえるのだろうか。知らないと言われそうな気がする。

 先週、さくらおろち湖で開催された全日本マスターズレガッタ。この記事を書こうとして「シングルスカル、ダブルスカル、クォドプル」の確認をしたのだが、「あぁ!」と思い出したのだ。

 文庫『スローカーブをもう一球』の所収されている「たったひとりのオリンピック」を。シングルスカルの津田真夫選手を。大学生活を麻雀に明け暮れる中、オリンピックに出れば人生が変わると思いたち、誰からも相手にされずひとりでボートをつくり(メーカーは相手にしてくれなかった)、ひとりで本やビデオをみて研究し(既存のチームはどこも相手にしてくれなかった)、ひとりでチームを立ち上げ(団体をつくらないと競技会に出れない)、国内トップに立ちながら、モントリオールでは方針により選出されず、モスクワではじめて出場が決まりながら、例のボイコットにより、オリンピック出場はかなわなかった。

 

20150516-P1100508

 「たったひとりのオリンピック」はこうはじまる。

 使い古しの、すっかり薄く丸くなってしまった石鹸を見て、ちょっと待ってくれという気分になってみたりすることが、多分、だれにでもあるはずだ。日々、こすられ削られていくうちに、新しくフレッシュであった時の姿はみるみる失われていく。まるで――と、そこで思ってもいい。これじゃまるで自分のようではないか、と。日常的に、あまりに日常的に日々を生きすぎてしまうなかで、ぼくらはおどろくほど丸くなり、うすっぺらくなっている。そのことのおぞましいまでの恐ろしさにふと気づき、地球の自転を止めるようにして自らの人生を逆回転させてみようと思うのはナンセンスなのだろうか。周囲の人たちは昨日までと同じように歩いていく。それに逆らうように立ち止まってみる。それだけで、人は一匹狼だろう。

 一人のアマチュア・スポーツマンがいた。

 みんなで一緒に。

 ワークショップ。

 なんたら会議。

 ……風潮・流れへの違和をいま少し掘り下げてみるために、この続きをもう一度読み返してみようと思う。

竹の焼き畑試行つれづれ

竹の焼き畑について思いつくままに記す。

蕎麦かカブをまこうと考えている。

理由はいくつか。

・焼き畑1年めの作物としてあげられることが多い。なにか理由がある。

・山ふたつ隔てた地域である志津見では、竹の焼き畑の後、蕎麦→粟→小豆→放牧、の順でやっていた(要確認)という聞き書きを白石昭臣氏が残していること。

・竹の成長の抑制効果が確か蕎麦にはあったと記憶(要確認)

・仁多でかつて焼き畑のカブとして栽培されていた種を使って「竹」の焼土でやってみるということの意義。

もっとあると思うが、思い出したら追記していこう。

宿題を思い出した。

映像をどうするか。だ。

椿山のVHS編集版(確か30分で中山間地域研究センターにあるのだとか)の所在確認と借りられるかどうか。ダメなら30分ほどの焼き畑記録を民映研からのDVDで。と思う。

あるかなあ。

ただ単に燃やしているというのでなく、基層文化として記録されているものがよいのですよ。だから、youtubeに転がっているのをさらりと流したくはない。

詳細な計画書をつくりつつ、ボランティア募集のチラシなども仕上げねば!です。