トロヘイ・ホトホトの現在を追う#1

頓原交流センターでトロヘイの藁馬をつくりながら聞いた話で、山口県地福との交流があるとのこと。頓原の子たちが地福へ行ったり、地福の子たちが頓原に来たりしているのだとか。山口地方で盛んであったことは柳田国男も書いていた(要確認)。なかでも地福は今でもトロヘイ儀礼(地福のトイトイ)を保持しており、国の重要無形民俗文化財指定を受けている。
頓原も申請すれば指定はおりるのだという。が、検討はしているものの「めんどうだ」と。誤解なきよう添えれば、その良否が複雑である意をもたせた言であろうし、私は指定なしでもいいではと思う。大事なのは国のお墨付きを得ることではないし、この来訪神儀礼は外に向いたものではないのだから。指定を受けようとすれば、あるいは受ければ、説明と報告をしなければならない。そういうものではないのだと私は考える。この儀礼については。

さて、本題。

現在、中国地方で確認できるトロヘイと類縁儀礼の現存地区は、広島県口羽、山口県地福、鳥取県日野町菅福(すげふく)の4箇所。これ以外にもあるかもしれず、また近年まで続いていた地区もあるだろう。それらを掘り起こしてみてはどうかということだ。
まずは引っかかったものから続々と。30くらい出揃ったところで、整理の方針をつけていきたい。

少しずつ。

†. 日野町菅福地区のホトホト行事について……鳥取県公文書館

†. 岩手県久慈市のホロロン……(wikipedia)

また、飯南町教育委員会に詳しい方がいると聞いたので、そちらの取材もいずれ。

◆備忘追記

トロヘイに今はなくて、かつてより明瞭にあったもの。そして東北のナマハゲ系、ことにその南端とされる福井のアッポッシャに見られる来訪者=鬼、被差別の民という系譜が今どこにあるのかということが問題となる。
それは、現代、まさにいま現在の「いじめ・差別」の構造をとらえておく必要がある。
まずは中井久夫の「いじめの政治学」を再読のこと。そこから現代の論考をみておくこと。