火入れ地の蕎麦が発芽しない件〜考察1

 8月6日の火入れ後の播種はうまくいきませんでした。天候の影響だと思いますが、ふりかってみます。

 8月6日、雨雲が立ちこめ「こりゃ降るな〜」ということもあり、散水後、播種し、足で鎮圧しました。その後2週間、一滴の雨も降らない日が続きましたね。発芽は0ではないものの、20本もなかったと思います。

 8月●日に追い播き。その後●日たっての姿が下の写真。

 8月6日に防火帯に播いたものはびっしりと過密なまでに発芽しているので、発芽率が極端に悪い種を使っているのではないといえます。

【想定要因】

(1)小雨が原因だが、火入れしたところの土の水もちがわるいために発芽しない。→やや降雨があった追い播きの種は、まだよく発芽している。

 

【気になること】

(1)昨年の火入れのとき、ところどころに蕎麦の種を蒔いていますが、発芽が悪かったのです。焼けすぎたせいかなと、この時は考えていました。今回もそうかもしれませんが、焼畑に適さないなにかを種がもってしまっているのでは?

 

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【あれこれウェブをまわって思ったこと】

・椎葉など焼畑で蕎麦を栽培しているところの発芽の写真をみると、そんなに土が黒くないのです。

・竹を焼くのと何が違うのか。

 

【奥出雲のたたら農業遺産?で気になること】

山陰中央新報の8月27日の記事「島根県奥出雲町は、江戸時代 からたたら製鉄に伴い造られた棚田で栽培する仁多米などを「奥出雲たたら製鉄が織りなす資源循環型の持続可能な農業システム」として、日本農業遺産と世界農業遺産の認定を目指す。有識者らによる協議会を30日に立ち上げ、2017年以降に申請し、農産品のブランド力の強化や地域活性化、住民の誇りの創出につなげる」ですが、うーん、そもそも今現在の奥出雲の仁多米って、資源循環型といえるのだろうか、という疑問はまずおいておいて。 山陰中央新報記事中の、木炭材採取後の「森林を伐採した跡地で栽培した在来種の蕎麦に着目」が気になる。記者もデスクも「在来種」という言葉の意味を理解していない疑いが濃厚ではあるが、それもおいておくとして。

 焼畑の言葉がここにないのはよいでしょう。私の知る限りその証左はないのですから。歴史的には。民俗学的にどうかといわれれば、お隣、飯南町にはある。ここは、いま少し私が掘ってみたいところです。

 さて核心はですね、薪炭林の利用と焼畑が並立したかどうかです。落葉広葉樹の枝打ちしたものが「焼けた」かどうかです。現在焼畑を行っている椎葉や温海の映像や写真を何度か見ますが、ほとんどが杉の枝打ちしたものが主になっているようです。※1

 そう、先日も木次から江津の桜江に向かう途中、三瓶の手前の山中で大量に放置された杉の枝葉を見ました。「あぁ〜、これ、よく燃えるだろうなあ。軽トラいっぱいに積むだけでもけっこうな足しになりそうだけどなあ。いや、ここで燃やせればいいのに」と思いました。

 何をどれだけ積んで燃やしたかの詳細がわかるものが資料にも少ないのです。

 

 蕎麦を育てるには、なにがよいんだろうねえ。

 もし種が焼畑に適応していないのであれば、種を取って育てるところからですが、それはそれで大変やりがいとやる価値があると思った次第。

 引き続き考えて、策を練りましょう。

 軽く草を焼いて播いてみる実験を8月3日〜4日の火入れでやるか、な。

 

※1)西米良の焼畑ドキュメンタリーのこちらをみても、落葉樹ではなさそうだけどね。混じってはいても。

https://www.facebook.com/1589550734592252/videos/1668214403392551/

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