畑もちを搗く〜その1

 働きに出ているお豆腐やさんで、28日にモチをつく。仕事で使っている餅つき機を使って、みんなでそれぞれの家のぶんをつくのだが、私はせっかくなので、畑餅(畑でとれる雑穀のもち)をついてみようと思う。

 畑もちという言葉を最初に目にしたのは、『聞き書山口の食事』の中であり。雑穀の餅のつき方

で引用した箇所にあたる。今度県立図書館に行く機会に索引でひいてみようと思うのだが、山口のこの山代地方だけである可能性は高い。

「畑もちは、あわ、きび、たかきびが主で、もち米に余裕のある家は一割くらいのもち米を入れ」とあるように、もち米を混ぜる場合もあるが、主役は雑穀。

 購入するにはもち米のほうが入手しやすいため、今年の年越しはもち米を8割、2割を雑穀でと、あらかたの筋をたてている。そして、来年は陸稲(おかぼ)を8割としたものを導入しようかと目論んでいるのでその予行でもある。すなわち来年春焼きをやるのであれば、陸稲に挑戦ということだ。

 さて、もち米と雑穀とをあわせたヒントとしたいのは、『聞き書山口の食事』にある北浦海岸(萩市)の食の中にある。

あわもち せいろに、水に十分浸したもち米七合を平らに入れ、その上に同様に一晩水に浸したもちあわ二升三合を平らに入れて、蒸して搗く。搗くときはあわがぱらぱら飛ぶので、先に手でもち米とよくこねてから搗きあげる。

 香ばしく、野菜と一緒に味噌雑炊にしたり、焼いたりして食べる。》

きびもち もち米七合、きび二升三合の割合で搗く。きびは皮をとって一週間ぐらい水にかしたものを使う。渋をとるために、水をときどきかえる。

 せいろに、水に浸しておいた米を入れ、上にきびをのせて蒸す。蒸しあがったら杵で搗くが、このとききびが飛びちらないように、杵を静かに押しながら米と混ぜるようにする》

 ここのあわはモチアワ。もちあわの場合、文字どおり糯性なので、もち米との比率はあまり気にせずともよいだろうと思われる。水に浸す時間はこの箇所ではもち米と同様一晩としているが、たしか他の箇所で2日という記述もあった。いずれにしても、キビのように1週間近くつけるのではない。

 ただ、重要なのは蒸すのは一緒にするということ。

 もち米の上にキビなりアワなりを「平らに入れて」蒸すのだ。

 

 第一仮定で以下の配合を考えてみた。

・もち米7合

・もちアワ2合

・タカキビ2合

・アマランサス1合

・ヒエ1合

合計1升4合

どうだろう。ヒエとアマランサスは今回パスしようか、どうか。とりわけヒエが一手間かかりそうなので。ともかくも準備をすすめよう。というより、タカキビはもう水に浸さねば!なのである。

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