なかなか見つからないものを探すときには、ほかの気になるものをひろい集めたりするものだ。ちがうだろうか。良し悪しを問う前に、もうこれは癖のようなものだから、なるようにやるしかないのだが。開き直りつつも、これでいいのかという迷いもあるということで本題。
頭がパンク寸前にいろんなものが渦をまいているので、忘れぬように、あちこちに記しているもののひとつとして。
横田の図書館に、戸河内町史や東郷町史など隣接する広島の誌史があり、3分だけ見るならどれだろうと数秒迷った末、戸河内町史・民俗編を手にとった。だだっとななめ読んだらば、なんとも興味深いページが。年中行事の小正月の項だ。
ひとつ。小正月の訪問者=来訪者は、満月の夜にやってくるということ。
《正月の14日か15日の夜のことだが、最初の満月の夜に、顔を隠し箕を着たりして家々を訪ねる、いわゆる小正月の訪問者がある》
これまでうかつにもこのことを考えて見なかった。そう、小正月は満月の夜でなければならないのだ。旧暦の15日は満月。この意味するところによくよく気をつけて、これからみていこう。
ふたつ。地域によって截然と、やるところとやらないところがあるということ。これは地図をみながら再確認。
《小板には「とろへい」があった。猪山では「とのへい」、本郷、上殿などでは「とろとろ」といっている》
声は「とろへい、とろへい」とかけていたようだが、「とろとろ」もあっただろうと思われる。そして、問題はその声である。
みっつ。神霊示現の声は奇矯なものだったこと。
《また、とのへいの声は、ふだんと違った変な声をだす。そこで猪山では、ふだんに変な浮わついたような声を出すと、「とのへい声をするな」と、親からたしなめられた》
刊行が1997年と新しい。ひょっとしたらこの声についてまだ何か聞けるかもしれない。
森と畑と牛と1号が終わったら、取材してみよう。