出雲の山墾り〜竹の焼畑2019:sec.12

2019年5月18日、曇り、最高気温23℃。いろいろ。ほんとにいろいろ。

●スペルト小麦が食われた
出穂を前にしてぜんぶ牛に食われてしもた。今日、柵の補修をしようと、そう準備していた矢先に。小麦はともかく、この先、ここを放棄(あきらめる)しようかと。うーん、里芋、キクイモ、サルシファイはすでに種をいれている。それらも同時にあきらめるのか、いなか。
柵を補修しながら、秋まではやってみようと思い直した。
入ったのはおそらく新入りの一頭。竹の横棒を折っての侵入なのだが、ま、成牛の力でもって折ろうと思えば簡単に折れるくらいの竹だからね。来週には太いものと交換しよう。

●ホウコのこと
牛が入った山畑のうちそとで、ホウコ(ハハコグサ)がふえているのはなぜだろう。牛が運んでいるのか、人(私?)が運んでいるのか、もともとそこに眠っていた種なのか。
牛が食べたあとも点々とある。そして昨年の春焼き地(名称をつけたい。ひらはた=平畑としよう)で今年ふえた。
数本、牛が手(舌)をつけていないものを持って帰った。モチにつかうのだ。

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●ウツギのこと
ウツギの花がにわかに咲き始めた岩伏。牧場内にも点々とあるのだが、下布施と日登を結ぶ道路沿いには多く見られる。

夕闇の道もたどらじ賤の男が山田の岨にうつ木さく頃

 ゆうやみのみちもたどらじ しずのおが やまだのそはに うつぎさくころ

荷田春満の門下、荷田蒼生子の歌。ウツギが和歌にとられるとき、多く「ウノハナ」としてよまれるもののようにみえるが、ここでは「ウツギ」が「サク」となっている。
私たちがウツギを特別な花として認知するのは、ネットに浮遊する折口信夫の言説の断片によるのかもしれない。ふと、国学が生まれいづるところに、ウツギがサク、その光景があるのかもしれないと、思うた。
ウツギについては、また改めて。

●陸稲のこと
そろそろどこの田植えも終わる頃、、と書きかけて、え、うち、まだじゃないか!?
陸稲のこと、半分忘れていた。いかんいかん。
ちょっと遅れたので、浸種、苗をつくって、植えようとか思う。
明日、えいやでじかまきするという手もあるのだが、、。ケタ地では草に負けそうだし、種籾が少ないので、ここは慎重に。梅雨入りしてからの植え付けのほうがいいだろうと決めた。
ネリカをはじめてためす。そして昨年イセヒカリの種籾をこれは、ネリカとの比較のためにうえてみるのだ。

●火入れ地準備
帰ってから考えた。ポイントを3つ。
†. 攻めの姿勢で……守りに入っているようなので逆を。バランス大事。Bの区画もやれるならやりたい。風向からして飛び火の可能性は少ないが、0ではない。Aを焼いたあと、準備をしていないBに飛び火したらと思うとぞっとする。
†. 楽にやる……準備を周到に。その場の思いつきでやって、あとで苦労するのはさける。乾燥しており、経験者も少ない春はとくに。今回はこれまでにない状況として、「草」が燃える可能性が大。

今回手をつけるナラ山(昨年秋焼き地)は、笹の枯茎堆積があるところ、また竹の葉の乾いた堆積と他の燃えやすい材の堆積があわさったところなどがみえない形で点々と散らばっている。
防火帯は消しにまわりますが、傾斜の急な火入れ地内は、そうしたものも含めて「燃やす」ことが大事。

†. 積み方の最低量を試す
積まれた竹を切ればわかりるが、過去4年には経験のない最高の乾燥度。九州地方の真竹の焼畑の写真でみるように、浅い積み方で延焼する可能性あり。もしさほど積まずに延焼するのだとしたら、楽にやれる型ができる。すなわち、「秋までに切ったものを1年近く乾燥させて春に焼くのが孟宗竹の場合はいい」ということ。

しかし、3日前あたりに雨が1日降れば、浅く積んだものがあだとなる。そこはリスク分散させつつ。それが「試す」ということ。

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折口信夫「花の話」(青空文庫)

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