題にあげたものはたまたま、目の前で新聞をひろげている人がいて、大きな見出しで入っていたから。そんなに大きなことなのでしょうか? バーゼル条約、廃プラ輸出入、リサイクル法、廃棄物処理法……、いくつかの用語が浮かんではくるものの、はっきりはしないので、与太話として少々。
朝日新聞デジタルの記事をひいておきます。2019年6月15日づけです。
見出し:レジ袋、来年4月から有料義務化 対策迫られるコンビニ
《経産省によると、容器包装リサイクル法の省令改正を念頭に置く。同法の所管は環境、経産、財務、厚生労働、農林水産の5省にまたがるため、調整を進める。対象となるレジ袋の大きさや素材、業種、中小企業への配慮策なども検討していく。》
記事には、同法の所管が各省にまたがるとありますが、容リ法は厚労省が主管です。公益財団法人日本容器包装リサイクル協会は、厚労省が容リ法制定とともにつくった団体です。
レジ袋有料化は厚労省の利権に、経産省が手をつっこんでくるということです。
すでにスーパーのレジ袋の多くは有料化されているわけです。朝日新聞のこの見出しにも「コンビニ」がターゲットであるように印象づけられています。有料化というのは、コストのつけかえでしょうけれど、コンビニやドラッグストア利用者にとってのレジ袋は必須だと思いますし、コンビニの収益にのっかる可能性もあります。そうしたところに、バーゼル条約やら、資源争奪競争やら、さまざまなものがかかわっているのでしょう。
余談その1
これ、国家単位での物流の問題でもあります。梱包費、梱包資材費、それらふくめて、そりゃ「やらねば」の案件です。
余談その2。
〈株式会社みんなの農業〉から次の記事をひいておきます。
《例えばトマト等の農産物の場合には種苗の購入代や、ハウス等の施設の償却費、圃場作業をする人々の人件費(または農家所得)等の生産コスト、そして選別・包装等のコスト、卸売市場や小売店まで運ぶ輸送コスト、JAや卸売業者、小売業者(スーパー等)等のマージン、等々です。
これらのうち生産コスト以外のコスト、すなわち前文の「そして」以下のコストは、一括して「流通コスト」といえます。小売価格のうちどれだけが生産コストで、どれだけが流通コストかとなると、価格を見るだけではもちろん分かりません。
しかし、価格の中に生産コストと流通コストが含まれていることは誰もが知っています。それゆえ、少なくとも生産コストと流通コストは表示価格以下であると認識できます。
ただし、ここで留意しなければならないことは、小売価格の中の流通コストは消費者が購入する時点までのコストだということです。当然と言えば当然のことでありますが、実はこのことがほとんど理解されていません》
そう、ここから先に、お店までの交通費、自動車を利用する場合にはその償却費、書物に行く人の人件費、をあげているのです、藤島さんは。
そして、です。藤島さんがあげなかったもうひとつの重要なコストがあります。そう、なぜレジ袋=容リ法にこの話がつくのか。私たちは商品を買うときに、商品そのものだけを買うのではありません。容器ごとかうのです。そして容器は棄てられるものとして、その処理費負担、捨てる手間(分別する手間)がかかっています。容器の大半は自治体が負担しているので、さらに見えにくいのですが、見えなくはありません。調べてみてもおもしろいかも。こういうの夏休みの自由研究にいかがでしょう?