なぜ竹紙なのか……。長くなるので詳細はいずれ。
あえて、ひとことでいえば、
「人はいつごろから、自然界から繊維を取り出し、人工物として再編することをはじめたのか」
を想像してみたい、みるべきだ、そこに価値と意味がある、ということですね。
竹の繊維を取り出すことをはじめているのですが、繊維を取り出すところまでの工程は、布づくりとほぼ同じです。
たまたま、柳田国男の「木綿以前のこと」の中に見つけたので、ひっぱってきておきます。
文化四年に成った『北遊記』には、今の福島県の平と湯本との中間でも、藤布を織って産業にしている者がいたとある。是は衣服の原料としてではなく、おもに畳の縁へりにするために供給していたものであった。春中の女の仕事で、その製法は藤の皮を剥はぎ、水に浸すこと四五日の後、堅木かたぎの灰を加えて暫しばらく煮て、川に出して晒さらし且つ扱こくことは、麻の通りであるとも述べてある。