東京から出雲へ

 羽田から出雲へ発つときに撮影。
 死ぬまであと何回、この景色を見ることができるのだろう。20歳の時に見るのと、50歳の時に見るのとでは、それは違うということには、誰も少なからず同意するであろう。
 いや、それは同じだとあえて言うのだとすれば、その視線の源はこの窓に対して座しているひとりの人間の存在を景色から取り去る必要がある。
 そう、この写真は、窓を通して、とりわけ航空機の窓であることをもって、夕暮れの街の光ではなく、それを観ている個の魂を映しているのだと、そう言いたくなってくる。
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