今年の焼畑でシコクビエを撒いてみるのだと。そう思い立ったのは1年ほど前だったと思う。理由は大小いくつかあるのだが、なぜこれほどまでに顧みられていないのか、それが気になっていたことが存外に大きいのかもしれない。
この項、のちほど加筆するとして、とある資料をはっておく。
横浜市立大学記者発表資料 H29.9.5〜雑穀シコクビエのゲノムを高精度で解読食料安全保障と健康食品開発への貢献に期待
○出雲地方ではなんと呼ばれていたのか
「出雲国産物帳名疏」を何度かみているものの、わからない。たとえば、アワ、ヒエ、キビ、ソバなどと比べるまでもなく、いまや、その存在すら知らない人が大半である。作業仮説的に、「出雲国産物名疏」中、ヒエの筆頭にある「赤稗」がシコクビエであったのではないかと、そうしておく。
事典の類にも、記載はわずかである。小学館『日本大百科事典』『国語大辞典』、平凡社『世界大百科事典』からいえることは3つ。
・インドまたはアフリカ原産で、日本へは中国を経由して「かなり古い時代に」渡来した穀類。オヒシバと近縁。
・呼称は、こうぼうびえ、のらびえ、からびえ、かもまたきび。現在一般名となっているシコクビエは四国で多く栽培されていたから(という説もある程度か)。
・山間地域で捕食的に栽培されてきたが、現在ほとんどみられない。
○呼称いろいろひろってみる
wikiからひいたものでは以下。
・岐阜県…チョウセンビエ(朝鮮稗 徳山村と郡上八幡)、アカビエ(徳山村)コウボウビエ(弘法稗)、タイコウビエ(太閤稗 荘内村)
・他にヤツマタ、エゾビエ、ダゴビエ、カモアシビエ、カラビエ
自分が知る限りで以下。
・コウボウビエ…静岡県井川地方
・カマシ(カモアシビエの転訛か)…石川県白山山麓(『聞き書 石川の食事』)
・カーラベ(カラビエの訛りか)…飛騨高山(特産種苗 第18号 シコクビエの栽培機械化)
○追記予定のもの資料
・石川の食事〜
・広島の食事〜
・井川の雑穀文化〜