チョウもバッタもイカだって

 一昨日のこと、庭の草むしりをしていたら、小さなバッタと出くわした。久しぶりのことだった。1年前に山で見た記憶があるようなないような、そんなものだ。「あれ?いたのか」がそのときの感であるのなら、今回は「おぉ、いたのか」という、わかりやすくいえば「うれしさ」があった。

 バッタなぞ、子どもの頃はあふれるほど草むらにはいたものだ。

 感傷ではない。実利にもとづくうれしさでもある。

 裏の畑の土がそこそこよくなってきたので、キャベツを植えてみようかと思い、そういえば3年前に苗をおいたらぜんぶ食われていたなあと。あれはモンシロチョウだったのだろうか。モンシロチョウの幼虫はバッタがいればけっこう食べてくれるということを聞いた。わかりやすくいえばバッタは益虫だと知ったわけだ。益虫だから認識を変えたわけではない。バッタについての知識がひとつ加わったこと。それもある。あるのだが、そのバッタ一般と目の前に現れたバッタとはまた違うものであるように感じた。それがなんなのか。いま、いろいろと考えている。

 ともかくも、お前、がんばれよ、と声をかけておいた。

 

 さて。

 クロマグロニホンウナギもいつのまにやら希少な生物となりにけり。今年はスルメイカもぱったり店頭に出てこない。日本海側(山陰)にはまわってこないのだろうか。ざっとググってみれば、「スルメイカが採れない 漁獲6割減 価格は2倍に」との記事によると、もともと山陰では秋から冬が旬ということか。

《1~2月にかけて東シナ海で生まれるスルメイカは、春から夏にかけて太平洋側を北上、秋以降は産卵のために日本海を南下する。》

 大好きなウナギは、数年前から年に1〜2回食べるにとどめている。スルメイカもそうなってしまうのか、トホホ。自家製塩辛を楽しみに待つ妻のためにも、漁獲規制を望む。とりすぎなんよ。「妖精のためにとっておく」とは茸採りを終える決り文句であったか。そんな上品なものでなくても、「自分たちの利益のためにとっておく」ことすらできないのが、漁業という業界の難しさであるようだ。どうしたらいいのかという前に、消費者主権とやらを行使したつもりになりつつ、小さな記録をとることも、はじめてみようと思う。

 庭にやってくるものたちの記録として。

 今日はこのチョウ。

 ベニシジミだと思う。

 スイバやギシギシが食草。その手はたくさんはえてるし、ふえる傾向にもあるから当面は目にすることも多いでしょう。よろしくね。

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老松には夏がこたえるらしい

Mさんに松の手入れにきていただいた。ていねいにやっていただいた。頭の下がる思いである。ありがたい。

松蔵と名付けた我が家の庭の老松。前の家主から百年を超える樹齢だと聞いているが定かではない。家が建ったのが昭和30年?だったろうか。家よりも年を重ねているだろうから、90〜100歳というのは妥当な線だろう。

新芽だけを残して他の葉をとってしまっているのは、菌に感染しているからだ。薬で退治する方法もあるらしいが、対処療法であるし、1ヶ月に1度は薬剤を散布しつづける。もともと体力が落ちている老人と同様、一度薬を使い始めれれば、ずーっと使い続けなければすぐに症状は出てくるものだというのだから、松蔵にとってもよい選択ではないだろう(と思う)。

樹勢が回復すれば、病気にもかかりにくくなる。樹勢を回復させる方法はいくつかある。ここからはMさんから聞いたことを主として箇条書きにして備忘とする。

・松は砂地など滋養の乏しい地に率先優先して根をおろす樹種である。土中の菌との共生関係を築くのだが、それは特定の菌種との関係である。

・上記とも関連して、樹勢が衰えたときにも、肥料の投入は功を奏さない。むしろ肥料をとりのぞくくらいのほうがよい。土を砂地にしてみるなどで回復させることもある。

液肥を施すことで回復ははかれる。市販のもの。

・何か手を入れるのであれば、秋以降。12月から年明けくらいまでがダメージが少ないと思われる。

・夏のかんかん照りで水が乏しい時には朝早くか夕暮れに水をやったほうがいい。葉に直接かけるのでもいい。松は水をやらなくてもいいなどというが、そうでもない。とくに弱っているときには。

・根元の豆科系の植物はとったほうがいい。

・菌にやられて茶色くなった葉もとりのぞいたり、地面に落ちたものも取り除くなどしたほうがいい。

……といったところかな。思い出したら追記します。豆はとって鉢に移そうと思う。すぐはびこるので、大きめのプラ鉢にいれて駐車場のうしろでもいいかもね。