令和5年のタカキビ餅

今年のタカキビ餅は、日と場所をわけて2回搗いた。28日にカフェオリゼで2升、30日にしろうさぎで2升である。もち米は都加賀のものが2kg。木次の道の駅「たんびにきてや」で購ったもの。あとはSさんに例年お願いしているJA雲南からのものである。

タカキビの配合割合は例年と同じく2割だが、今年はひき割りを忘れて水につけたものがあり、怪我の功名とでもいおうか、搗く前にすり鉢で適度につぶしたものを使ったが、これがよかった。

まず、ひき割りにする比率が確認しやすい。次に挽き割って選別するより、手間が少ない。水につけやすいのもいいし、歩留まりもよさそうだ。次回からは直前にすり鉢でくだくという方法一択でいこう。

カフェオリゼでやったときには、タカキビをまぜない白餅も5合強ほど搗いた。来年は1升ほどついて確かめてみてもよいのが、「搗きたてのタカキビ餅は白餅よりも熱い」ということ。今回、量が違っていたこともあるが、たしかにそうかも。というのも、しろうさぎで同じ2升ずつ搗くときにも、タカキビ餅のほうが熱い気がするので。
もうひとつ、確かめたいことがある。今年のタカキビ餅は腰が弱かったのでは?搗きすぎだったのでは?ということ。煮餅にしたときにも、白よりも崩れるのが早いようだ。どれも、形・大きさ・保存状態などで比較しないとなんともいえん。これ、タカキビをすり鉢でつぶしたことの影響もあるのかもしらん。

よりうまいタカキビ餅を目指して、来年の火入れと栽培へ向かうのだ。

 

令和4年のタカキビ餅

12月29日、今年もタカキビ餅がつけた。よかった。ほんとうに。

年の瀬にタカキビ餅をつきはじめて何回目となるかはわからない。すぐにはわからないくらいには経験を積み重ねてきたせいか、準備も当日も記録メモを都度見直しながらということはなく、頭の中にあるものと、身体が覚えているもので対応はできていたように思う。

タカキビと餅米の割合は2:8。タカキビはすべて焼畑のもの。よくみのった。やや早いと思われる9月上旬、台風通過の予報が出ていた前日に取り入れたものだ。とってみればちょうどよい熟し方であった。しっかり熟したのであるから、早めに水に浸けておかなかればならない。4日〜6日を要するが、諸事情で着手できたのは3日前。そのぶん、ひき割りにする割合を増やそうとしてみたが、加減がよくわからない。ひき割りの過程で皮の薄いものはよくむけたと思われるから、水の吸収はよくなっていたはずである。

妻とふたりでつくつもりであったが、声をかけたら6人も集まってくれることになった。慌てて餅米を買い足した。タカキビ餅2升、白餅2升をあわせてつくことに。餅つき機は1升づきのものなので、あわせて4回戦となる。蒸し過程で入れる水の量は取扱説明書の目安量より10ccましの450cc(のちほど再確認のこと)とした。1回目は二人で、試しにと白餅でやってみたが、慣れないもので、みんなが着てからだねと、2回戦の開始を後ろにずらす。

ひとりふたりとやってきて、あわせて8人揃ってみれば、ついた一升を丸餅にまとめるのはあっという間。餅を切るのが一番の技を要するのだが、慣れた人が一人入って、スイスイ。

機械が蒸したり搗いたりする間はお茶とおしゃべりで楽しく過ごす。そうした時間も含めてではあろうが、餅つきは皆さん楽しんでもらえたようで、「また来年も」という話にもなり、「杵と臼が家にあるから持ってきますよ」との声も。

実食についてはまた追記する。

来年も、また焼畑でつくれることを祈りつつ。

令和3年のタカキビ餅

12月28日、タカキビ餅を搗いた。餅搗き機を用いて、ではある。臼も杵もない。でも、餅を搗けたという安堵感とも充実感ともいえるものがたしかにあるのは、餅がひとりでは決して搗けないものだからだろう。去年はcovid19の影響もあり、妻とふたりで搗いた。今年は6人ほどが集まって、10升近く搗いたろうか。2升づきの餅つき機2台を使って、8時から11時ごろまでの仕事はあっという間だ。「よいお年を」。そう声をかけあうのは、年を越すことの当たり前が必ずしも当たり前でないということの証でもあろう。

さて、今年のタカキビ餅。配合は例年と同じ。もち米1升6合にタカキビ4合。タカキビはミキサーで軽く挽き割ったものを、2種類の篩で3つにふりわけて、粒の大きなものを浸水4日、小さなものは一晩の浸水とした。粉は小瓶に少しほどだったので、蒸すときに上にふるうのみ。水の量は2升炊きの標準700mlよりやや多い750mlとした。ちょうどよい分量だったと思う。

今年は火入れもできず2年目の場所も柵がつくれる場所ではなかったので、山ではなくすべて畑のもの。オリゼ畑が半分、斐川の畑が半分である。量としては。斐川の畑は熟し切ることできずに収穫したので、茶色ではなく全体に黄色っぽい実であり、おそらく水分も吸いやすく砕けやすいのだと思う。つきたてを少し頬張った印象としては、加減として、ちょうどよいやわらかさと味になっており、美味い。

そのあたり、実食してまた追記したい。

来年は、焼畑でつくれることを祈りつつ。

◆令和4年1月9日追記
焼いたタカキビ餅をぜんざいで。
ところどころかたい粒が残っているが、それがまたよい。ちょうどいい按配である。今年は焼畑でしっかり熟したものが収穫できるはずなので、粒がより固くなるはず。ひき割りの量を多くすることで同様の旨さをひきだすべく精進しよう。山の畑でもつくらなかったことで収量すくなく、餅に使った4合ぶんとスリランカカリーのライスに使った2合ぶんほどでほとんどを使い切った。あと2合ほどを残しているが、春すぎにはなくなるだろう。種子としてとってあるものが3束ほどある。
そして、雑穀種子の整理をぼちぼちとすすめよう、春へむけて

令和元年、年取りのタカキビ餅とタカキビと

昨年同様の塩梅でタカキビ餅をついた。昨年のほうが美味しかったという印象を持っている。硬い粒が残っているのと風味がいまひとつ。主に3つの要因があると思う。

1. 昨年よりもしっかり熟したものを使っていること
2. その割には水につける期間が短かったこと
3. ひき割りにした量がかなり少なかったこと

それから、昨年は入れていないモチアワを1合〜2合ぶんほどではあるが入れている。しかも半分弱は薄皮をかぶったままのものであって、あるいはこれが風味を損ねたかもしれない。

来年への引き継ぎ事項としては、水につける期間を長めにとることと、ひき割りの量をふやすこと、そして挽き割る際に出た粉も追加して加えること。

昨年、仕込みのときに感じた「この感じ」は忘れてしまっていた。そう、すりこぎでは埒が明かないとみて、家庭用精米機で殻をとっていたのだ、このときは。

年取りのタカキビ餅

タカキビ餅の仕込み〜平成30年12月

年取りのタカキビ餅

タカキビ餅の仕込み~平成30年12月のその後。
タカキビは最終的に4合ほどを調製し、昨年のもの半合ほどを材料に。
うち今年のもの2合ほどはミキサーにかけてひき割りに。4分の3ほどが割れたと思う。粉状になったものは今回は使わず。半合弱ほどか。
よって、というか、つまりというか、材料は以下となった。製法とあわせて記す。

【材料】
・モチ米…一升6合。仁多のモチ米。無肥料減農薬栽培と聞く縁故米的なもの。
・タカキビ…計4合。2合が今年の粒。3合半が今年の挽き割りと粒のミックス(割合は5:1か)。半合ほどが昨年の粒。
・水…700cc弱
【製法】
●下準備
・タカキビは2日半ほど水につけておいた。1日おきに水かえ。早めに腐敗っぽい膜が浮いてきた。昨年はこうではなかった。成育不十分なまま収穫したため、表面が白っぽい。もっと紅茶のような色に染まっている状態ならばこうはならないのではと思われた。ただそれがゆえに水につけるのが3日弱でもよかったのだろう。通常7日つけると、参考にした匹見の聞き書きにはあった。昨年は5日つけている。
・モチ米は通常どおり前日に水につけておき、朝方ざるにあけたもの
・昨年はモチアワも含めていた。今年は不作のため混入せず。
●搗き
タイガーの餅つき機を使用。「蒸す→搗く&こねる」。
雑穀を搗くときには上に軽いものをおいてこねてから搗くというが、餅つき機の場合は関係ないだろう……とはいえ、下にモチ米、上にタカキビをおいて蒸し始めた。より強く蒸されるのが鍋の下部であるならば、逆あるいはタカキビを挟むほうがよいのかもしれない。来年はそうしてみよう。
蒸し終わりまでは2升で40分〜50分ほどだろうか。蒸しきったところで機械が教えてくれる。それから搗き、捏ねに入る。10分ほど。
●丸餅に
打ち粉として売られている米粉と片栗粉を8対2くらいに混ぜたものを打ち粉として使用。2升分でおよそ80ほどをつくった。
【味見】
昨年よりもタカキビの割合が多く、より美味しくなった、つまりタカキビ餅らしくなったと思う。搗きたてをほおばってみたときの、つぶつぶを噛む食感とねばりと香ばしさのバランスがなんともよい。自画自賛。
そして、お配りした方からの感想で「思ったよりねばりがあっておいしかった」と。そういえばつきたてのモチを取り出すときにも、「のびるね〜」という声があった。なぜモチ米だけのものよりのびがあるのかといえば、質の異なるタカキビのモチ性が影響しているのでは。次回食べて気づくことがあれば、追記することとしよう。

タカキビ餅の仕込み〜平成30年12月

我が家の年取り餅に使うタカキビの仕込みは夜なべ仕事。トーミで選別すれば早いのだが、いかんせん雨が続いて出番待ちする間にせっぱつまってしまったのだ。ゆえに夜なべ。昼に小さな土間の勝手で脱穀をはじめた。先ごろ手に入れた足踏み脱穀機でやってみたかった。これも雨のせいにしておく。
風選は夜。勝手口のドアをあけ、ボウルに小分けしたキビを暗闇に向かってふーふー吹き、殻やゴミをとっていく。
最初のうち、脱ぷ(殻をとること)は、すりこぎでやっていた。これも先ごろ購入した循環式精米機の出番のはずなのだが、こちらはまだ一度も試運転していないので、せっぱつまった状況では使えない。で、1合ほどを進めたところで、家庭用精米機を使うことにした。以前使ったときには、粒がくだけてしまい、大変歩留まりが悪く、もったないことになった。すりこぎを使うのは「もったいない」からだが、もちに使うぶんにはよいのではと考え直した次第。
結果、コツのようなものを会得できた。
くだける手前でとめる。そんな当たり前のことなのだが、見ていて、荒かった殻の粒子がすーっと細かくなるポイントでとめる。忘れてしまいそう。だから、こうやって書き留めるのだ。
あの感じ、忘れぬよう。

さて、搗く日は30日の午前。1週間は水につけておかねばならぬと自分でも書いていたのだが(タカキビ餅のぜんざい)、はや4日しかない。ま、いろいろ考えてやる。  畑もちを搗く〜その2  では、出来上がったときにまた。

タカキビ餅のぜんざい

うまし。

タカキビ餅と名乗っているものの、原料の8割5分ほどは餅米である。若干のモチアワも含まれている。1割2分ほどだろうかタカキビの入っている割合は。されど、しっかりとタカキビらしい味わいというか野性味というか深みというかそんなものがある。

タカキビは今年の焼畑で収穫したもの。ミキサーで軽く挽き割って使っているが、粒のままのものが6〜7割はあるだろう。つきたてのときはほんのり紅がさしたようなきれいな色を出していた。

タカキビ10割でつくのであれば、粉状にまで挽き割って、搗くといううよりはこねるのではなかろうか。以前、つくりかたは記したので繰り返しになるが、タカキビは水にひたすこと1週間、水は最初は毎日かえるのがよい。温度があがりすぎると腐敗するので、冬期なら土間など冷えたところに静置すること。

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さて、小豆である。

これは、自然栽培の小豆なのだ。

じつは小豆を作らないかという話があって、種子もくれるし、栽培法も指導してくれるのだと。虫がつきやすいので駆除するための農薬はいろいろあるらしい。

新しく土地を借りるのであれば、まずは雑穀でならして、土のバランスがとれたところで豆類だろうなあと考える。放棄地であっても火はいれてスタートしたい。小さな納屋がそばにあればなおよし。竹がはびこってしまった山もあるとよい。

そんなことを、食べながら考えていたのだった。

9月26日の焼畑〜カブの状況とタカキビ、アマランサス取り込み

9月26日。明日から雨が降るようなので、焼畑の雑穀を取り込めるものは収穫した。また、カブの状況と追い蒔きについて。
◉カブの状況
†. 中山裾の火入れ地
前回(1週間前か)よりも、発芽がみられる。ただ、ところどころに虫食いあり。
発芽が見られないところに追い蒔きする。5ml×5程度。
なんとなくよくない感じがする。なんだろう。この感じは。
虫食いについては、面積が少ないことで、周囲の草むらに生息する虫たちの生息数が多いことが影響しているのではないか。過去2年とくらべて、裾の最下部であることからも虫の害は多かろう。面積も最小である。(※正確な面積:のちほど記入のこと)
†. 蕎麦栽培地の下部と上部
前回(1週間前か)追い蒔きしたものは発芽していないようだ。時期からして播く時期の限界として最期の追い蒔きを行った。15ml×10。
発芽しているところも虫食いがひどい状態である。前述の中山裾よりは虫の影響は少ないはず。これは時期の問題か。コオロギの姿は相変わらず目立つ。黒炭の地面がひろがっていていることで、目視しやすいこともあるにしろ。
†. 今後の追い蒔き
日曜日に発芽の確認と、春焼地のアワを刈り取った後に、草を取り去って撒いてみようと思った。
1. 牛が食うかもしれないので、アワが立ち並ぶその中心部にまず種蒔き。→アワ畑の外側は2週間後にはすべて刈り取り柵をもうける。
2. 蕎麦地については、牛がまだ入っていないことから、これから冬にかけても登りきらないのではと思われる。蕎麦地のさらに竹に近い箇所については、ソバも含め発芽が見られない。ここに鍬を入れてから蒔いてみることをためそう。
◉中山のアマランサス、大豆の状況
大豆はあらかた花の段階で牛にぱっくり全部平らげられていた、、、はずだったが、多少は残っていたのか、小さなさやに豆ができはじめている。種として残そうか食べてしまおうか、経過観察。
中山東のアマランサスは倒伏が多い。茎が細いのは中山西裾もそうだが、東の方が日照はより悪い。日照が得られていないことが原因だろう。茎が細ければ実のふさも小さく、倒伏の度合いは太いものとさほどは変わらないかと思っていたが、さにあらず。9月に入ってからの雨は次々と倒すのだなあ。倒れた状態からでも上に上にと穂を出し続けている。
今年の収穫は小なりといえども、小さな穂をひろいあつめていこう。
この日は大きなものを集めた。
種取り用のものをどうしようか。来年どうしようかと紙の上と頭の中で思案を重ねている。
◉春焼地のタカキビ、アワ、ヒエの状況

タカキビが今年は一定の収穫を得られたというのは救いである。昨年、カブの跡地斜面で育てたものよりはずっと状態がよい。一度は牛にがぶりと食われたあとからの再生であるのにね。
アワは、ほんとにどうしたものか。
下の写真は9月21日、すなわち1週間ほど前のものだが、状態はあまり変わりはない。
優先順位を後にまわしつつ、とれるだけでもとっておこうと心を落ち着かせる。


それにしても。
牧場のエノコロ草がすごい。一面の”エノコログサ”の草原。
これ、全部とって干して、取り出したら、そこそこの量にはなる。
やってみようか。
夕陽を受けてきらめきながら、風にゆれる穂の群れをみながら、夢想がかすかにうごめくのであった。