令和元年5月10日。ケタ焼きではあるものの、焼畑、すなわちそこで作物を栽培することを、火入れを実行した。
資料とするべく、大急ぎでざっくりと概要だけでも記しておく。
準備に3日。草刈り2時間〜3時間が2回、草寄せ(防火帯)に2時間半ほどか。下見や計画なども含めれば、8時間ほどとみていい。
もっとも、もっとていねいに準備するなら2人で5時間(1日)の作業かもしれない。
刈払機が大半だが、手刈りも必要。今回、その手刈りを「まあいいか」と略した箇所が案の定、少しあぶなかった。
さて、当日の今日。予定はしていたが確定したのは昨日。
草刈りは7日前〜3日前にわけてやっているが、3日前の箇所も十分に乾燥していた。ここ数日の気温も高く、昨日も一昨日も少々風もあったことが大きい。また寒暖差があって朝露がおりる日もあった。いったん少し濡れてから風と日にあたるとさらに乾燥度があがるものだ。木材がそうなのだが、草もそうなのだろう。
前日に草寄せをしたときに、もう十分と判断してのことなのだが、草の下の土はやや湿ったところもあって、草の浅いところが延焼・燃焼するかがわからなかった。燃えなかったら、それもいやだ、困る。煙だけ多いとかえってあぶないし、時間もかかるし、やっかいだ。
なので、草寄せはひろげるよりも、厚めに斜面上部と上部平地に少しかかるくらいにおいた。
防火帯以外は基本、草刈り時のなりゆきまま。
さて、現地着が14時30分頃。軽トラに0.5㎥水タンクを積み給水。エンジンポンプやシューターを準備し、燃料補給やシューターへの水入れなどをしたあと、給水に30分はかかるとみて、現場(徒歩2分か)へ草寄せの続きに。当日やればいいとした作業を残していたのだ。
意外にあったなあと、急いでせっせと草を寄せていく。
給水は400弱までとして。荷物を確認して現場へ。
風向きをみて、予定通りに小屋のところから火を入れることにする。
風下、微風、理想的。
エンジンポンプの始動ともっとも燃えるものがある小屋の周辺に防火放水。
シューター、レイキを配置して、15時50分頃にガストーチで着火。
勢いよく延焼がはじまり、少々あせるが、やるべき3つのことを順序よくあたっていく。
1)草の寄せ直し
2)予定ラインを超えて延焼が起こっている場所へシューターで火消し
3)1)2)が計算できる落ち着きをみせたところで、エンジンポンプ始動しての防火放水
これらが一段落し、写真を撮るくらいの余裕ができた頃合いがこれ。
そして、終盤、そろそろ迎え火を打とうかという頃合いがこのあたり。
そして、鎮火。17時頃。約1時間ほどか。面積などまたのちほど加筆。
活躍した3つの道具。
ただし、ガストーチは今回、火付けに3箇所程度と迎え火2箇所の点火用のみ。
レーキは活躍したし、シューターは必須だと実感。達人はじょうろとバケツでやっておられるが、その域は、まだまだ雲の上を見上げるような遠くにかすかにある。
また、保険として用意し、いらないかなあと頭を何度かかすめたエンジンポンプとタンクもあってよかった。いやほんとに。
以下、ざっくりとした備忘。
●イネ科系の細い葉っぱは生でもけっこう燃えて延焼にもいたりかねない。下に燃える枯れ葉の堆積がある程度あれば。
夏の焼畑の際、緑色の生きた(はえた)草は、火が近寄ってきてもなかなか燃えず、防火帯にすらなるのかなあと捉えていたが、いやいや、間違いでした。とくに春はいかん。
同様に、茅など地際で刈ったものから緑の葉がのびているくらいのものでも、ちょっとした乾いた箇所が残っているだけで、そこから火をあげて、延焼を促す。
だからね。
まあ、まず燃え広がることはないとみていた(それでも注意と準備はしていた)隣接する草原とて、まったく燃えないとは限らんと思いました。
●3年ほどの堆積があれば、こうした焼け方はふつうにできるのでは
火を入れずに草刈りを年に1〜2回程度の地であれば、そして茅がまじってその堆積があれば、燃材としては結構な量があるのだと思う。そして、どんなに火が強かろうが、地面に草がまったくなければ(当たり前だが)そこは燃えずに火がとまる。水をかけるよりも、一筋の土の線があればよいということだ。
●煙を出さずに焼くことの重要性
完全に燃焼させることの利点もだが、管理のしやすさ。
うまく燃えたし、そういうやり方をしたため、ごくわずかしか煙がもうもうとする場面はなかったが、火が見えなくなるし、咳き込むし、まあ、いかんわ。
●燃やすことを促進させながら、消し止める
燃える勢いの強いほうが、消火はある意味しやすい。広がる方向がわかりやすいこともある。
●かといって強すぎないように、いいあんばいに、風と状況をみて、草の位置や量を変えていく
これの見極めを向上させていきたい。地形や火入れ地の形状、風向きなどの条件がよかったので、今回はうまくできたほうだと思うが、よくわからんところとわかったところと半々なり。
さて、明日から種をまいていく。考え、集中して、楽しもうではないか。もう、寝る。