竹麻を煮熟するのに、当初、七輪を想定していた。なにせ10時間は煮るのである。炭火でコトコトと夜通しおいても大丈夫なもの。炭のもちはそこまで長くなくても、まあ、数時間はいけるだろうから、鍋をおいて他のこともできる。そう考えたのだ。ところが、である。炭は1時間ももたない。いやへたをすると30分ももたない。業務用の備長炭ならともかく、さわったらぽろぽろ崩れるような安い炭だったのが悪かったのか。さあ、困った。炭の質の問題は炭の価格でもって解決するしかないのだよ、目下のところ。高価な炭を買い求めるほど潤沢な予算はない。
ならば、というので、ロケットコンロの出番となった。七輪で安い炭を使うよりはよほどいい。し始終、火を見ておらねばならぬのだが、まあ10分15分はおいておける。庭仕事や物置の整理(いやあ、きちんとまたやらねば、続きを)をやりながら、なんだかんだで4時間は煮熟できたと思う。
今回は乾燥させた竹を主燃料とした。あやしげな記憶にもとづくアバウトな計算であるが、中くらいの太さの孟宗竹1.5メートルぶんほどでないかと思う。思うにこれは燃費としてはとてもよいぞ。
そして竹灰がとれる。アルカリ度の高い「上等の」灰だ。
そうそう。意東窯でワークショップをやった際に、安部先生から竹灰のことを伺った。”漉したりするより、水をいれた容器のうわずみを掬う”だけで使っていたみたいだと。これならすぐにでも使える。さっそく試してみようぞ。
ロケットストーブの活躍の機会がふえることになりそうで、こうなると、作り方を復習する意味でも、もう1台ほしいなあと思う今日このごろである。