竹の焼畑2017sec.4【報告】

火入れ予定日前日である5月13日のことを少々。
雨の日が続いていました。近隣である大東の降水量のデータです。
5月5日 0mm
5月6日 3mm
5月7日 0mm
5月8日 0mm
5月9日 12.5mm
5月10日 0mm
5月11日 4mm
5月12日 2.5mm
5月13日 6.5mm
5月14日 0mm
延期したほうがよいのでは。それもありうることでした。なにせ朝方まで雨が降っていたのですから。いくら乾燥する春の時期とはいえ、条件が悪い。
協議のうえ、延焼しやすいよう面積をせばめ、積み増しをすることで、実施することにしました。積み増しするところは着火点の部分です。最初に延焼のための臨界点をこえてしまうことが肝要であることは、これまでの経験からもわかっていましたから。念入りに。
20170513-P125081202
また小池先生の発案で山ハンノキの苗木を植えました。何本だったろうか。
20170513-P125080902
ともあれ、火入れがうまくいくことを祈りつつ。
20170513-P125081302

アワ栽培雑データ

前回、写真を取り出して、昨年の「アワ」についてふりかえってみました。
モチアワの10段階
アマランサスについては、Growth of amaranth that are grown in slash-and-burnにまとめています。
経過記録が少ないのですが、ほかのものについてもこれから急ぎまとめておきます。

さて、ここで、昨日からつらつら調べてきたことのメモを残し、加筆をまとうを思います。いつまでたってもまとまらず、いずれまた記憶からも消え、記録にならないことを憂慮しての「措置」といえましょう。
・国内にあっては、突出した雑穀生産量を誇る岩手県であり、情報もそちらが多くなります。が、われら奥出雲とは気候からして違う。むしろ西日本での栽培地を参照しておかねばと思った次第。
・たとえば、モチアワについて。
・岩手では大鎚10が収量も多く推奨品種として生産の大半をしめているようですが、アワといえば黄色のイメージ、そして和菓子原料としては黄色が重用されることから、大槌10の糯性と仁左平在来の黄色い胚乳色と大粒性をあわせもった「ゆいこがね」を育成しています。
・昨年、われらが焼畑で撒いた岩手在来も大槌系統だと思います。種は野口種苗から購入したものですが、岩手在来としか記載がありません。
「「大槌10」は1985年に上閉伊郡大槌町から収集され、その多収性により平成9年度に「岩手県雑穀優良系統」に選定された茎色が紫の糯アワである」※1のであり、また「アワの茎色は紫色が優性」 2016年8月9日撮影時には出穂しており、紫色の茎は判然としませんが、20160809-P114044902
7月9日撮影時のものだと茎の下部は紫だし、
20160709-P114037402
6月28日撮影時のものははっきりと紫の茎です。
20160628-P114032902
・参照資料として以下をあげておきます。
※1)仲條眞介2015〈アワ新品種「ゆいこがねの育成」〉(岩手農研セ研報14)
※2)特産種苗No.24 【雑穀類の生産状況平成23〜27年産】(日本特産農産物種苗協会)2017.2
・岩手ではソバ用のコンバインを使って収獲されているケースが多いようです。
熊本県湯前町では雑穀生産に力をいれいくつかの商品開発もなされています。平成27年の作付面積が、アワ95a キビ40a、ヒエ60a。ここらから、ざっくりとしたものを想定しはじめてみるのがよいと思います。
https://takuhai.daichi-m.co.jp/Goodsdetail/06304091
農文協『新特産シリーズ 雑穀雑穀』をじっくり読み返しています。昨年慌てて読み飛ばしていること多数。
・とりわけ、奥出雲で秋アワはできるのか、やるべきなのではないか、などということを考えました。種は春のが使えるのかどうか。出穂条件などをみて、可能性があれば試しに今年にでも。また、種が九州四国などで手に入ればそちらでも。

モチアワの10段階

 モチアワの種をまくにあたって、この1年を振り返りつつ、今年はどうのぞむかを考える材料としたい。
●火入れの直後に種をまき(5月22日)
20160522-P114013602
●芽が出て(6月9日)
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●穂がのびて(6月18日)
20160618-P114023502
●さらに穂がのびて(6月28日)
20160628-P114032902
●稔る(8月27日)
20160827-P114052802
●収獲する
20160915-P114066802
●乾燥させる
脱穀する
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●精白前
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●ミキサーにかける
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●トーミにかける
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●精白後(まだもう少し)
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●スイーツになる
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竹の焼畑2017sec.2【報告】

 5月5日(金)、こどもの日。最高気温24℃。晴れ。

 1名にて竹の伏せ込み作業を行いました。途中、ローダーでからまった竹の山を崩せないかと試みるも、歯がたたず。次回、ワイヤーをつかってできないかなど検討して出直しです。

 人力は微々たるものといえど、やったぶんだけは片付きます。

 13時〜17時半、みっちりやりました。

 あぁ〜。麦酒がうまい。

もちあわりんごカスタードを売れるものに

 4月30日にイベントでのテスト販売を行った「もちあわりんごカスタード」。100円としたのは、完成度の低さゆえ。ぷちプリン程度の量で200円はとらないといけないですね、ざっくりとでも。飲食店内であれば260円か。もちあわの特性として雑穀のなかでは癖がなく、ねばりが特段にでる(カスタードになる)ことから、可能性はあるようです。全国的に、やろうとして失敗している前例もあり参考になります。

 方向性とクリアーしなくてはならんこととして3つをあげてみます。
①原材料の検討1…もちあわとアマランサスの組み合わせがよい。このときは直前で、アマランサスの癖が強いということでもちあわだけにして出したのですが、「なんか足りないね」という感想あり。私もそう感じた。バランスだと思う。そしてりんご果汁に変わるものを何か。原価の問題です、主に。リンゴをサイコロ状にしたような固形物が得られれば。柿か、ウリか。
②穀類の精白度をあげる…皮が残っているとお菓子系はちょっとよくない。精白度をあげるためには、機械の導入もですが、粒の大きさなど「品質」がそろっていなければならんわけです。趣味的・実験的栽培を続けていても「続かない」わけで。
③チェーンの構築…原材料提供ではなく、最終形態で提供するのが少量生産の王道ではありましょう。そして少量生産にとって穀類のよい点は保存がきくということです。ならせるわけで、野菜とはそこが違う。ライン=チェーンを築くには、もっと栽培量がないとあかんです。できるだけ近隣の耕作放棄地などで栽培できればいいのですが。

ダムの見える牧場の乳牛が山にあがりはじめました

20160917-P114068702
 こちら(上)の写真は、2016年9月17日に確認したダムの見える牧場のホルスタインが山をあがりはじめたその第一歩です。この時には、1頭ほどが蕎麦畑に多少入ってきた程度でした。2メートルほどの急斜面となっており、かなりの力がいることと、春からこの方、あがった形跡がなかったのです。この段差、ちょうど2年前の9月には、あがろうとして中途まで足をかけながら、断念していた痕跡がありました。気力、体力そろってはじめて登りきれるものだと思っておりましたよ。崩れた斜面に残る足跡から受ける印象として。
 ここから上に10メートルほどもあがったところに、焼畑のカブが花を咲かせていました。タネ取りできるようなそこそこよいカブです。10日ばかり前でしょうか、種取候補となるような良好なカブの存在を確かめています。とりわけ、斜面一番上にかたまっているブロックをメモリーにマーキングしておったばかりです。
 そして、昨日2017年5月3日、な、な、なんと、牛が食べている!!! しかも、最上部のエリアの一等いいカブを。写真ではややわかりにくいのですが、相当な急斜面です。はじめて来る学生はこわくて立てないほどだというのに。
 やられたと思いながらも、これはGood News。ここまであがれるということは、急斜面が多いこの山も(そのままで;人間が道をつけるまでもなく)放牧地としていかせるといううことでもあるのです。
 

 これまでも山に入ってはいましたが、この写真のように「あがる」ともいえるところまで入ったのはここ数週間の出来事です。
 火入れの場所を考えなおさねばですな。どこでやるにしても柵は必須となります。手間がかからんやり方・場所を考えるということ。
 牛には入りたいところへ入ってもらいたい。柵をもうけずにできればよいのですが、ちょーっと無理ですね。うまい方向で検討したいです。

竹の焼畑2017sec.1【報告】

 5月3日(水),快晴,最高気温24℃(たぶん)。10時30分〜15時00分の作業でした。参加者8名。
 ランチはタケノコカレー。茹でる時間が足りず、途中ひきあげて焼き、トッピングにしたタケノコですが、シーズンもあと2〜3日で終わりかなと思います。
 人手不足により、竹の運搬と伏せ込み作業が予定までいってません。島根大里山理研究会から追加でもう1日出るといっております。奥出雲山村塾でも1名が明日出動予定!
 

「まかぶ」とは!?

 三沢のUさん宅へ、土用豆があればと思い伺う。1年半ぶりくらいかも。

 種まきぶんしかないということだったので、用向きははたせなんだが、お元気そうなのがなにより。それよりなにより。

 後の山に咲く黄色い茎立菜。あれは、地カブ? というのでいろいろ聞いてみると。

「まかぶ」だという。

 地カブともこのへんの人はいう。

 年取りカブとはちがう。

 年取りカブは根っこも食べられる。甘い。まかぶは根は食べられない。茎立ち菜を食べる。

 まかぶは種とりもしてまくというのだ。

 まかぶというんは、はじめて耳にしたし、年取りカブを知っている人がこれで2人目。でも年取りとも、年かさ?とも言われてたぞ。。。。

 なんどか通わないとわからんだろうということで、今日は備忘メモとして残す。

 

竹についての2つの話題

 NHKの4月22日のニュースです。リンク先はいずれ消えると思われます。

「建設現場の足場に竹 香港ならではの光景」

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170422/k10010957391000.html

 魚拓的に、テキストをひっぱっておきましょう。

《ビルが所狭しと建ち並ぶ香港では、建設現場の足場に今でも竹が使われています。数十階建ての高層ビルで職人たちが竹とナイロンのひもだけで次々と足場を組む様子は、香港ならではの光景です。竹が重宝されるのは、金属に比べて安くて軽いから。高い場所でも簡単に運搬でき、切って長さの調整も簡単です。竹の足場は100年以上前に中国本土から伝わったといわれ、1960年代以降の高層ビルの建設ラッシュとともに、香港で独自に技術が発達しました。今では、業界団体が資金を出し合い、無料で講義や実習を受けることができる竹の足場の訓練施設まであります。竹をひもで固定する方法をはじめ、足場の素早い登り方や落下しにくい姿勢など、若者たちが技術の習得に励んでいます。ところが、最近は竹に代わって鉄製の足場が普及しつつあります。鉄は組み立てが簡単で熟練した職人の技術が必要なく、このところ鉄の価格が下がっていることが背景にあります。

 こうした中、伝統の竹の技術を後世に残そうとする人もいます。竹の足場職人をしていた李家俊さん(49)は若者たちを率いて、粤劇(えつげき)と呼ばれる伝統芸能の巡回公演のために、竹組みの劇場を作り続けています。3000本以上の竹で劇場を組み立て、公演が終わると解体して、年間30回、香港各地を回ります。李さんは、竹組みを文化として残していきたいとの思いを強く持っていて、手がけた劇場は伝統の粤劇と抜群の調和を見せ、観客を魅了しています。香港のあちこちに見られる竹の足場には、独自に進化した技術への職人たちの熱い思いが込められているのです。》

 香港のみならず、台湾でもよく見る竹の足場。インドネシアでもよく見かけたと記憶しています。バリ島のGreen Villageあるいは○○が展開している竹の建築(構築物)の可能性について、まだ私たちはとらえていないのです。評価があまりにも低調なのは、開発と伝統の隙間にあるものだからでしょう。

 もうひとつの話題は竹にまつわる久しぶりの大著の刊行。

小林幹夫 著『原色植物分類図鑑 日本のタケ亜科植物』(北隆館)

 県立図書館に入りますように。