スズメたちは麦の食べ方を覚えた

一昨日のことだったか。うちの裏の畑で小さく育てていた裸麦。スズメたちに食われていた。つまみぐいなどではない、本気のどか食いである。裏で育てて3年目だろうか。こんなことは初めてだ。なにが「やつら」をそうさせたのか。

茎が折られている。どこでどうやって覚えたものか。妻も目撃して感心していた。
数羽でやってきて、一羽が穂につかまって倒す、倒れた穂をついばむ。その一連の動きが見事で、連携プレーのようなさわやかさすらある。やつらにその意識はなく、たまたまそうなっているだけなのかもしれないが。

もちろん、傍観するに甘んじていたわけではない。応急処置として網をかけておいた。かかったら焼き鳥にしてやると。2日が経過し、網がかかったところは無事だった。一定の効果はあったと、茫然自失の三歩手前から五十歩手前くらいまでは自信と安心を回復したのは、そう五分もあったかなかったか。畑をパトロールしてみれば、こぼれ種から小さな穂をつけていた同じ麦たちが、みるも無残な姿に……。網をかける前まではまったく無傷であり、ま、「やつら」もまだ未熟で青いこの小さな穂までは手を出すまいとたかをくくっていた己を恥じた。

スズメたちは麦の食べ方を覚えた。われわれは何も学んでいない。

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