今日の断片〜『焼畑及切替畑に関する調査』など

拾い読みの3冊。
小泉武夫『食と日本人の知恵』2002(岩波書店
小泉は、寿司は、江戸前由来の「早ずし」と「熟鮨(なれずし)」とに大別できるとしたうえで、熟鮨について語る。発酵について、納豆・鰹節・オリゼーなどについて語る章においてである。

安丸良夫安丸良夫集1』(岩波書店
繰り返し断片的に読み重ねている。民衆道徳=規範訓練が日本の近代化の根底部分を駆動していたと。
若者組のこと。明治30年代には青年団へと変わっていったこと。
農林省山林局『焼畑及切替畑に関する調査』
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農作の種類でもっとも多いのが蕎麦であるというのが意外であった。量的なものではなく何をつくっているかということへの回答数のカウントなのかな。面積でみると高知県が図抜けて多い。

横田の焼畑といえば蕎麦だという人

 そうそう。ダムの見える牧場での一昨日の活動のこと。

 搾乳したミルク(原乳?)をタンクでピックアップしにきたおじさんが尋ねてきた。この間焼いたところは蕎麦をまいたんかい?と。

 いえいえ、アワやキビですよ。これから夏に焼くところを伐りますけれど、そこにはカブと蕎麦を播く予定です。

 対しておじさん曰く。

 横田の焼畑といえば、蕎麦だと思っとった。焼いた後の一杯がたまらんのだろうな〜とうれしそうな笑顔で。

 そうだろうなああ。苦労して準備して無事に火入れが終わって種を蒔いて、そして乾杯するという中での「宴」がね、落ちているのですよ。まず場所がない。なにより泊まるところがない。煎じ詰めればお金がない。どうしたもんじゃろなあ。

竹の焼き畑2016-sec.7 が終了

5月29日(日)。島根大から4名、木次町から1名、計5名で取り組みました。
朝方曇りで11時過ぎから雨が落ち始めたため、大豆の種蒔きは次回へ持ち越しです。
温海カブの種取りと地ごしらえ(大豆播きのための)、匍匐性トマト10苗を春焼き地へ定植、同地へアマランサスとタカキビの播種、といったところです。
火入れ後にまいたアワもアマランサスも芽は確認できず。雨も降ったことですし、来週水曜日あたりに見にこようかと。焼けた杉も倒さねばなりませんし。
さて、種取りはシートにめぼしいものを取り込んで、奥出雲ラボでちょぼちょぼやりました。
次週はいよいよ夏山へ向けての初伐りです!!!




 気がついたことを書き留めておきます。
†.三沢の年取りカブの種を取らせてもらったときに、山田さんから「鳥にずいぶん食われてしまったんだけど」と言われて、へええ、カブの種を鳥が食べるんだ〜と思っておりました、人ごとのように。そして、まあ、里ではなく山だから、鳥もそんなにいないし、食わんでしょ、食われていないみたいだね〜と言っていた矢先のこと。4〜8羽くらいの小鳥がカブの種の枝をつついておりました。あ〜れ〜。
†.大豆は芽が出て双葉のときに、鳩や鳥に食われるのだといいます。さて、どうしましょう。食われない場合も多いといいますし、ネットをかぶせようにもネットを買ってこなければないし。ポット苗で育てて定植というのも手間といえば手間です。この日は半分ほどを植えてみようということになって、そのままです。来週のどこかでやりますか。
【資料編】
●予定していた内容
◆カブの種取りと豆播き作業を5月29日(日)に実施します。
9:30 ダムの見える牧場牛舎前集合
作業手順確認。チーム分け。スタート。
9:40 スタート
・春焼き火入れ地検証
・カブの種取り
10:50 小休憩
11:00 再スタート
・カブの種取り
・地ごしらえ
12:15 午前の部終了。昼食休憩&今後の打合せ。
13:15 午後の部スタート。
・大豆播き、ツルアズキ播き
・その他
15:00 解散
●参考サイト
☆まとめ 自家採種をしてみよう-命をつなぐこと-|ゼロからの60坪自然菜園
自家採種 みやま小かぶ|ゼロからの60坪自然菜園
生育状況 あわ|健康雑穀
http://www.marusun.com/sab50-13-3.html
●告知ページ等
facebookイベント
しまねいきいき広場
奥出雲山村塾活動掲示版

斐伊川を結ぶ会の田植え

 お手伝いしました。手植え。お酒になります。

 昼食のあと、田中初恵さんに「茅葺きの家」の茅のことを尋ねました。夫の利夫さんがとても苦労されたとだけ、以前に聞いていたので。

 茅をどうやって集められたのか。その答えは、「見つける度に(車を)駆け下りては取る」ことでした。取った茅は上へあげていぶしておくと。あぁ、そうした積み重ねであるのだろう、ものごとというものは。

 北側(裏手)の屋根がかなり傷んできているので、差し茅をしたらどうかと、お手伝いしますよとお話しました。そう。そちらもつないでいくことに取り組むのです、ほんの少しでも、前へ。

 横路さんから聞いた小学校の話も気になる。こちらも近々にl。

江津の森のレストラン

 昨日の午後から石見に1泊2日で出かけてきた。吉賀町を離れて3年ぶりかの訪問であった。なんの感慨もなかった、というよりも、まだ続いているのかもしれない。終わったり離れたりというのではないあり方でもって。

「もし、〜〜だったら、ここにいたかもしれないし、そうだったら、ずいぶんと〜〜の状況もいまのようにはなってはいなかったでしょうに」

 助手席でそう語る声に、「そうだね」と小さく深く同意した。

 さて、吉賀で目に見えるもの。山の姿は出雲のそれとは違うなあ。何度でも思う。急峻さや大きさや。そして繁茂する竹の姿が見られない。3年前よりは少し増えた気もするし、そういう声も聞くのだが、山ひとつが竹に覆われてしまうようなところは皆無だ。

 江津市にある森のレストラン。イタリア料理を供するいわみ福祉会のお店だ。ブログのプロフィール欄にはこうある。

「森のレストランのコンセプトは、人びと・物・情報・サービスなどを1本の木に例え、それらが自然と集い、繋がり、大きくなっていく、そんな場所でありたいという願いにあります。」

 美味しいです。めっぽう感心するほどではないものの。でも、石見でどこのお店を勧めるかという意味では一押しといっていい。なにがいいかというと、とても気持ちがいいのです。料理をつくる人、出す人、用意する人、誰もがていねいで心がそこにある感じとでもいいますか。

 そこにいる人、訪れる人は、誰もがひとりの人として、その空間に居合わせることができます。

 障害者がごく自然にそこで働いている、働けている空間だから、なのでしょう。もちろん、多くの工夫や配慮がなされています。妻が観察したところによると。。。

・無駄な動きがない。手があいたら次に何をやるかが決まっている。誰が何をやるかが明確になっている。

・ふつうの飲食店より働いている人が多い。厨房の設備にいいものが揃っている。空間が広い。

・置いてある本雑誌がきちんとセレクトされている。

 このレストランのよさをわかってくれる人、そう、内田樹だったら、「いいね」と言うんじゃないかなと。そう思います。すぐれた武道家。芸道に秀でた人。

 

 あぁ、もっと何か伝える術と中身がある気がするのですが、次回(また訪問したとき)の宿題とします。

 

雑穀断章その1

 増田昭子『雑穀の社会史』2001を拾い読みしながら、つらつらと考えたり、思ったり、している。

 アワ、ヒエ、キビ、雑穀はなぜつくられなくなっていったのか。

 山村の主食として米にかわられていったのか。

 こたえは容易ではなく単純ではない。

 まずい、貧しい、みじめ……雑穀はそう見られてきたのだと、思い込んでいるだけで、本当にそうだったのか。私も、実際、つい最近でも米が食べられずアワを食べていた時代の話を聞かされてもいる。

 集落の中でも貧しい家があった。年に一度、正月の前にはその家でも米が炊かれた。

 「ご飯が炊けたよ〜」

 外で遊んでいる子どもを呼ぶその家の母の声の、晴れがましさ、うれしさが、子ども心に染みて、とても可哀想であったと、ある古老から聞かされた。

 戦後間もない頃の木次(現雲南市)の話である。

 それは真実であったろうが、時代をもう少しさかのぼれたどうであったか。明治の終わり。幕末。江戸中期。安土桃山。

 というのも、この本には雑穀のよさを伝える口伝が数多く記されているのである。

 米と比較しての優位性すらある。

 もう少し丁寧に見てみたい。そこには何かがある。その何かをもう少し確かなものにするために「思想」という観点を持ち込んでみたい。

 ……つづく。

 左が野口の種で買った岩手のタカキビ。右が島根県仁多郡奥出雲町林原で種取りされてきたタカキビ。

 20160513-P114005602

苧(からむし)と焼き畑とカブ

 苧が裏の畑の隅にあるのを知ったのはたしか半年前でした。妻のひとこと、「あれ、苧じゃないの?」。いやまさか。でも確かに。「柿の木にはどこにでもあったよ」。

 ありふれていそうで、どこにでもはないです。でも、意識しはじめてから、目にとまるようになりました。

 5月下旬の今時分、伸びた姿が目立ちはじめます。三沢のほうぼうで目にしたのですが、どうも意図的にそこに育てたような気がするのです。

 みざわの館の下にある地カブのところにもありました。苧は焼き畑にすることでよい繊維がとれる状態に育つものです。地カブは斜面というのか、畑のいちばん山よりの隅に。苧は斜面ではないですが、どうも「隅」の利用と関係が深いように思えます。

 

http://bit.ly/1Tjcpxl

 渡し舟 – わたしふね -のからむし焼きの写真をみて、しばし考えをめぐらせてみましたが、これという着想は得られません。

 考えるよりも、やってみよう。そう、苧で紙ができないか、ちょいと遊んでみようと思った次第です。

竹の焼畑2016-春焼き〜火入れ【速報版】

終了しました。
火入れ従事者15名、見学者7名。
10時15分に着火し、12時過ぎに延焼終了、15時に鎮火。
面積約7アール。
16時よりモチアワとアマランサスを3アールに播種。
残約4アールには後日タカキビ、トマト等を播種予定です。
●記録映像
竹の焼畑2016ー春焼pre4
次週より夏焼きに向けての活動開始です。

この記録は速報版ですので、詳細はまた後日!
皆さんおつかれさまでしたーーーーーー!!