岩屋寺のある山で

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 今日は午後から、森林作業道敷設の取材。昭和51年ごろの植林でほとんど手入れはしていないという山主の言。確かに一見荒れているのだが、どの木も健康に見える。切ってみると「目のつまった色艶のいい材」。「手入れするといい山になるよ〜、これは」とは森の名手・響さんの言。その響さんとて「最初来たときは、あぁ、引き受けるんじゃなかった」と言っておられたように、よさがすぐにはわからない。けれど、なんとなく、気持ちいいのだ。下層植生も貧弱なのだが、よくみると、小さく少ないとはいえじつに多種多様な樹が散らばっている。
 少し大きな谷に出て、その水の美しさに引き寄せられおりてみた。上の写真。
 帰宅後たしかめてみたら、岩屋寺の切開へと至る谷だった。国の天然記念物で、”切開の峡谷底部に伏在する断層破砕帯の存在が明らかに”なったのは2005年。ウィキの解説が詳しく新しい。日をあらためて行ってみますか。

ja.wikipedia.org

猪たちがお手伝いにやってきた

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今日も火入れ予定地の草刈りに。けっこう広いのだ。崖も含んだ急傾斜地に竹が積んである。崩して積み直しつつ、繁茂している灌木、蔓、草をばっさばっさと刈っていく。6月くらいからひたすらそればかりやっている。終わらない。。それでも、この手を休めない限り、いつかは終わるのであって、まあ諦念もいくぶんか混じった平常心で現場に赴くのであるが、今日はおやおやと。

なんと、猪が積んである竹を崩してくれているではないか。けっこう盛大に掘り返してあって、いやあ助かる助かる。もっとやってくれないかなあと、ほんのうっすらとした期待を抱いた。そして、その先には、どでかい糞塊が。うん、これだけの仕事をするんだから、そりゃあ立派な猪でしょう。にしても、もっと控えめにしたらどうか。真ん中に堂々と置いてあったのには少々閉口。

そんなことはどうでもいい。今日は刈って刈って刈って、刈りまくった。この調子で3日もやれば、草刈りは一段落して竹の運搬に入れるのではなかろうか。気温も下がってきて、消耗も少なく、これなら3時間は大丈夫。長い休憩をはさめば6〜7時間動けるかもしれない。

そんなことを帰ってから重くなりだした腕を動かしながら思うのだった。
次回は1週間後の予定。猪でなく人のお手伝いを希望。
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峠の卯の花

山からウツギ(卯の花)をもってかえる。歳末からこのかた、正月の餅も、春の筍も蕗もなかった我が家にようやく季節がめぐってきたのだろうか。
まつる時さきもあふかな卯花は なほ氏神の花にぞ有ける
このうたのきたるところを、峠のあとさきに咲き乱れるこの花のかおりをたよりに、追いかけてみるのだ。

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スズメたちは麦の食べ方を覚えた

一昨日のことだったか。うちの裏の畑で小さく育てていた裸麦。スズメたちに食われていた。つまみぐいなどではない、本気のどか食いである。裏で育てて3年目だろうか。こんなことは初めてだ。なにが「やつら」をそうさせたのか。

茎が折られている。どこでどうやって覚えたものか。妻も目撃して感心していた。
数羽でやってきて、一羽が穂につかまって倒す、倒れた穂をついばむ。その一連の動きが見事で、連携プレーのようなさわやかさすらある。やつらにその意識はなく、たまたまそうなっているだけなのかもしれないが。

もちろん、傍観するに甘んじていたわけではない。応急処置として網をかけておいた。かかったら焼き鳥にしてやると。2日が経過し、網がかかったところは無事だった。一定の効果はあったと、茫然自失の三歩手前から五十歩手前くらいまでは自信と安心を回復したのは、そう五分もあったかなかったか。畑をパトロールしてみれば、こぼれ種から小さな穂をつけていた同じ麦たちが、みるも無残な姿に……。網をかける前まではまったく無傷であり、ま、「やつら」もまだ未熟で青いこの小さな穂までは手を出すまいとたかをくくっていた己を恥じた。

スズメたちは麦の食べ方を覚えた。われわれは何も学んでいない。

出雲の山墾り〜消炭づくりの準備

積もっていた雪もあらかたとけ、去年より半月ほど遅れての本格始動です。とはいえ、2時間半ほど。積んである竹の嵩をとらえ違える箇所もあるので、頭と身体にたたきこんでいくくらいまでやらないと、火は入れられんですね。早く入れてしまいたい気持ちをなだめつつ、あと3日ぶんは動いて、消炭づくり開始としたいところです。

できれば週末の土曜日に1回目を。と思いましたが、どうかなあ。人数も雪もないし。3月に入るとかなり乾いてくるので難しい。2月20日(土)、そして2月27日(土)または28日(日)を候補日と決めました。

春の火入れ予定区画の一部で、積んである竹を燃やして消炭をつくります。
ここは(できれば)春に焼きたくはないなあという区画です。あるいは春に焼くには竹を移動しないといけないところ。それが下の写真にみえる部分です。
写真奥50mくらい、積んだ竹が続くのですが、深いところで胸の高さ、浅いところでも膝下くらいはあります。伐採から2年たっており、下部などはかなり腐朽が進んでるところもあるのですが、燃えます。春だったらかなりよく燃えるやつです。

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積んである竹は枝がからんでしまっていたり、さまざまな蔓がとりついてしまっており、短く切断していかないと動かせません。これらを細かく分割していき、別な地点へ運んで積み直します。
隣接している竹も切っていきます。上の写真ですと、左側のもの。ざっと最低30本くらいでしょうか。倒したものは右手に引っ張りおろし、一段下の区画へ積んでいきます。
太い根本部分は火を入れる部分に積み増ししてもいいかもしれない。もう少し状況を確認していいやり方を考えましょう。

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さて、雪が積もったらという条件がなくても火を入れるためには、延焼防止用のポンプとタンクを設置しないといけない。
今回程度なら、ポンプは小さなものでもいいのですが、タンクをそばにおくのが難しい。道がぬかるんでしまっている難所があります。これを手当しておくか、それとも、エンジンポンプをレンタルするか。
次回はそこらも要チェックです。

出雲の山墾りをぼちぼちと

 ひっそり今年も始動します。活動ページを設けました。
冬の準備がものをいうのです。冬の間に、春焼き予定地の竹を半分くらいまでは焼いておきたいということもあります。
雪がたっぷり積もっていれば、延焼(つまるところの山火事)対策を大幅に減じることができます。人員でいえば、最低10人はいるところが、2人でもいけるというように。
s-orochi.org

しかしながら、ちょっと積りすぎているようです。
奥出雲の横田では観測上、10年ぶりくらいの1mごえだったようですし、焼畑フィールドである佐白でも60センチほどはいっただろうと思います。明後日、現地確認の予定ですので、レポートはそのときに。
下の写真は数日前のご近所。

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菊芋堀り雑感

雪の下から芋を掘る。
一般的には遅いのだろう。サツマイモはもちろん里芋だってもとは南国の芋なのだから、零下の気温ではたちまちにだめになる。が、しかし、だ。菊芋は雪の下のをとってくるものだと不確かながら聞いたことがある。そういう芋なのだと。
ならば、まさにいまが旬。
ここ数日、雪も溶けてきた山の畑でためしに掘り上げてきた。
感触はかなりいい。食べての報告はまた。

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蔦のからまる森で

 人間が放置した土地。いま、そこやあそこ、かしこで、当然という顔をして普通にみられる大地の断片。小さな裂目のような場所から自然による「奪還」がはじまる。
はじまりの場所は「荒廃地」と呼ばれ、人をますます寄せ付けず、荒廃の勢いはます。 さて、そうした場所でこそ、人間が「切札」(なんの?)になるのだと言っていた庭師の言葉を思い出しながら、蔓のからまった小さな雑木山に入る。下層は背丈以上もある笹におおわれ、これまた放置された杉の植林地がわずかに笹の侵入をとめているほかは、荒れた森である。
秋から少しずつ伐開をはじめた。その日は、笹のヤブをこいで(迷いながら)森を寸断する塗装の道にでた。
頭上で巨大な蔦のからまった樹林は、見た目にも実際(落下、倒木)にも恐ろしい。が、こんな太い蔦が豊富にとれる時代は数百年ぶりではないのだろうかと思いいたった。 この蔦、なにかに使えないのだろうか。直径10センチをこえるような大物も見たことがある。キヅタ。春にかけて荒れた雑木山からそれなりにとっていくのだが、燃やしてしまうのは惜しい、気がして、まずは小さなものを座右に。

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令和2年のタカキビ

5月17日の妻のつぶやきからひろう。

ダムの見える牧場の山の畑を耕しに。
たかきびを撒く。
牛は今日はのんびり。

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そう。5月17日に蒔いたのだった。孟宗竹の地下茎が残っていて、再生竹を毎年ほそぼそと出していたところである。根は分解過程にあり、土はところどころふかふかなれど、茎はがっしりと張っているので、掘り起こすのには難儀した。

写真右手の切れ目から2mくらい先に昨年は同じくタカキビを植えている。土も日当たりも良好でよく育ったので、今年は同じようにここでということ。昨年もそうだったのが、竹の根が分解過程にあり、土がしまっていないので、タカキビはすぐに傾く。そしてもうひとつ、草のほうが強く、負けてしまうので、除草必須だろうということ。

まして、昨年より20日ばかり早く蒔いているので、草が先行して丈をのばし、それにうもれるようにしてタカキビがあった。草を抜くときにいっしょにぬけてしまったりで、いろいろ試行錯誤しながら、ようやくにして8月2日の姿がこんな具合。

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夏本番にどこまで成長できるか。見守っていくのであるが、どこかで土寄せしないと後半の雨風で倒れる。いま生えている草はおそらくいっしょに。

そして8月16日。出穂。

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8月23日になり、ほっと一息。

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9月12日。そろそろ収穫をはじめようと思っていた。

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そして、9月16日を迎える。

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ほかにも、いろいろ。